スノーボードで地面に一番ぶつける箇所はお尻です。転倒することの少ない経験者や新雪のフカフカなバーンならプロテクター無しでも問題ない時もありますが、これからスノーボードをうまくなりたいと考えている初心者がカチカチのアイスバーンで転倒するとそれだけで心を折られてしまうかもしれません。また、尾てい骨を繰り返し打撲することで骨折する恐れもあります。スノーボードを上達したい人はヒッププロテクターを装着することで、腰周りの怪我を防止したりお尻の痛みによるモチベーションの低下を防ぐことが必要です。
プロテクターに使用される主な素材
一般的なヒッププロテクターは衝撃を吸収する2層から5層のパッドでできており、素材や用途によってさまざまな種類があります。
体に近い部分は通気性やフィット感の高い素材を使い、外に向かって徐々に固い素材が使われています。
名前 | 正式名称 | 説明 |
---|---|---|
KEVLAR | KEVLAR ケブラー |
軽量で熱や摩擦に強い高耐久繊維。パッド類の外側に使用される。 |
硬質PE | hard polyethylene 硬質ポリエチレン |
プロテクターの外側に使用され、直接衝撃を受け止める。 |
EVAフォーム | Ethylene-Vinyl Acetate エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂 |
ポリエチレンよりも柔軟性と弾力性が高い。軽量で、気温が低くても硬くなりにくい。 |
NBRフォーム | Nitrile butadiene rubber ニトリル・ブタジエン・ラバー |
独立気泡体を無数に有した弾力のあるフォームで、衝撃が加わるとそれぞれの気泡が圧縮されることで衝撃を吸収し、圧力がなくなると元の形に戻る。 |
3Dメッシュ | 肌に近い部分に使用され、通気性を確保し、プロテクター内の蒸れを防止する | |
D3O | D3O® ディー・スリー・オー |
イギリスのD3O® lab社が開発した次世代衝撃吸収素材。衝撃の強さで分子の結束が変化する素材。何も衝撃が加わっていないときや衝撃が弱いときには、分子は自由に動き柔軟さを保ちますが、強い衝撃を受けると、瞬時に分子同士が結束したような状態になり衝撃を吸収・分散する。再び、衝撃が弱くなったり無くなると元の状態に戻る |
XRD | PORON®XRD ポロン エックス・アール・ディー |
アメリカで開発された次世代衝撃吸収素材。軽量で抗菌性・通気性・柔軟性が高く気温が低くても硬くなりにくい。短時間に繰り返しを受ける衝撃に強い素材。受けた衝撃をより大きな面積に分散する事で衝撃の90%を吸収する。 |
高価なヒップパッドは、D3OやXRDといった衝撃を感知して硬化する素材が使われています。
north peak(ノースピーク) HIP PROTECT ヒッププロテクター
比較的安価でコストパフォーマンスが高いノースピークのヒッププロテクター。
衝撃を受けやすい尾てい骨部分が硬質PEとNBRの2層になっており、そのほかの部分もNBRの独立気泡が衝撃を緩和する。
A.R.K(エーアールケー) HIP PROTECT ヒッププロテクター
こちらもコストパフォーマンスが高いA.R.Kのヒッププロテクター。
硬質PEとEVA、さらに蒸れを防止する3Dエアメッシュで快適な使用感で衝撃を緩和する。
YONEX(ヨネックス) HIP PROTECT D3O ヒッププロテクター
次世代衝撃吸収素材D3Oを使用したハイエンドプロテクター。衝撃がない、または弱いときは分子が自由に動き、柔軟性を発揮。強い衝撃を受けると瞬時に分子同士が結合し、網目状態になって衝撃を吸収・分散する。
eb’s(エビス) HIP PROTECT XRD PORON ヒッププロテクト ポロン
1994年から続くスノーボード用品の国内メーカーeb’sのハイエンドプロテクター。衝撃の90%を吸収する素材「XRD」を搭載。軽量で抗菌性・通気性・柔軟性が高く気温が低くても硬くなりにくい。受けた衝撃の90%を吸収し着用した物の体へのダメージを最小限に抑える。
鎧武者(YOROIMUSHA)ヒッププロテクター
プレミアムプロテクターブランドYOROIMUSHAのハイエンドプロテクター。、衝撃の90%を吸収する素材「XRD」を搭載。軽量で抗菌性・通気性・柔軟性が高く気温が低くても硬くなりにくい。受けた衝撃の90%を吸収し着用した物の体へのダメージを最小限に抑える。
スノープロテクター&アクセサリーブランドYOROI
まとめ
スノーアクセサリーブランド各社から様々なプロテクターがラインナップされています。予算に余裕があればXRDや3DOが使われているプロテクターを選んでおけば間違いないでしょうが、「普通に滑れるようになりたい」とか「グラトリだけしかしないよ」という方は、ハイエンドにこだわる必要はないかもしれません。
ご自身の利用シーンに合わせて選択し、スノーボードライフを安全に楽しんでください。