冬キャンプの季節が到来しました。
暖房設備必須なこのシーズンに突入し、慌ててストーブを探されている方も多いかと思います。
フジカハイペット、アラジンブルーフレーム、トヨトミレインボー etc…
小型の石油ストーブが欲しい方はフジカハイペットにたどり着き、そしてその納期の遠さに今シーズンの入手を諦める。
または、少しサイズが大きくなるが炎の美しいトヨトミレインボーやアラジンブルーフレームに流れる。
そんな葛藤が毎年のように起こっていることが予想できます。自分もその中の一人でした。
フジカハイペットと同等サイズの石油ストーブがすぐ手に入るものがあれば今すぐ買いたいという方の救世主になるかもしれないアイテムがあります。
それが、snowpeak(スノーピーク)のタクードです。
タクードとは
タクードはスノーピーク製の鍋や煮込みに調理に適した高効率石油こんろです。
石油こんろということで、製品本来の種別はストーブではありません。
ストーブとして使える?
タクードはトヨトミ製石油こんろ「K-3F」を原型としており、OEMとしてスノーピークのタクードが生まれました。
「K-3F」とよく似た、BOPコンロ「k-30F」という製品があります。
BOPとは「Base of the Economic Pyramid(経済ピラミッドの基盤)」という経済用語の略語です。
トヨトミが発展途上国での生活利便性を向上するために開発したもので、K-3Fと似た作りになっています。
BOPコンロは公式にWebサイト上で次のように紹介されています。
toyotomi THE BOP 製品概要
「天板を追加することによって、家の中で使用できる暖房機器としての機能を持つ」というところがポイントです。
Snowpeak タクード、トヨトミ石油コンロ(k-3f)、トヨトミBOPコンロ(k-30f)それぞれのスペックを比べてみましょう。
Snowpeak タクード | トヨトミ 石油コンロ K-3F | トヨトミ BOPコンロ k-30f | |
---|---|---|---|
用途 | 煮炊用 | 煮炊用 | 煮炊用 |
サイズ | 380×380×340(h)mm | 358×358×330(h)mm | 342×342×315(h)mm |
重量 | 6kg | 6kg | 3.5 kg |
最大火力 | 2.15kw(1,800kcal/h相当) | 2.15kw | 2.25 kW (7,700BTU) |
燃焼時間 | 約15時間 | 約15時間 | 19.1 時間 |
タンク容量 | 3.1L | 3.1L | 4.0L |
点火方式 | マッチ・ライター点火タイプ | マッチ・ライター点火タイプ | マッチ・ライター点火タイプ |
タクードとトヨトミ石油コンロはOEMということもあってほとんどのスペックが同じです。
タクードとBOPコンロもサイズや重量に違いはあるものの、最大火力はほぼ同じと言えます。
ということは先ほどの、「天板を追加することによって、家の中で使用できる暖房機器としての機能を持つ」ということがタクードにも当てはまるのではないでしょうか。
タクードにはもともと天板があるためこの点は初めからクリアしています。
メリット
コンパクト
タクードは石油コンロで厳密にはストーブではありませんが、石油ストーブ系の中では最小と言えるサイズです。
横幅は他のストーブと大差ありませんが、高さの差がフジカハイペットと比べても約10cm低く、アラジンブルーフレームとは23cmの差があります。
高さがこれだけ違うと積載時の占有率はかなり抑えられそうです。
持続時間が長い
燃焼効率が良く、燃料満タンの3.1Lで約15時間の稼働が可能です。
IGTフレームにセットができる
タクードはIGTフレームにセットすることができます。
IGTフレームを持っている方は調理用と暖房用を兼ねて選ぶと冬キャンプが捗りそうです。
スペック比較
ライバルになりそうな石油ストーブとスペックを比べてみます。
- snowpeak タクード
- フジカハイペット
- トヨトミ レインボー
- アラジンブルーフレーム
上の4つのストーブのスペックを表にまとめました。それぞれ個性があり、ビジュアル、コンパクト性、燃焼時間等、何を重視するかで選択するストーブは変わりそうです。
snowpeak タクード | フジカハイペット | トヨトミ レインボー | アラジンブルーフレーム | |
---|---|---|---|---|
サイズ | 380×380×340(h)mm | 310×310×432(h)mm | 388×388×485.7(h)mm | 388×405×551(h)mm |
重量 | 6kg | 5.5kg |
約6.2kg |
8.5kg |
最大火力 | 2.15kw(1,800kcal/h相当) | 2.5kW | 2.50kW~1.25kW | 2.68kW/h |
燃焼時間 | 約15時間 | 10~12時間 | 20~40時間 | 約15時間 |
タンク容量 | 3.1L | 安全量:3.6L 最大:4.1L |
4.9L | 4.1L |
点火方式 | 点火棒(マッチ等)による | マッチおよびガスライター | 電子点火 | マッチおよびガスライター |
備考 | IGTフレームにセット可能 対震自動消火装置 |
転倒時にも灯油が漏れない構造 高度3,000mでの燃焼確認 対震自動消火装置 |
ニオイセーブ消火 対震自動消火装置 2重タンク構造 |
対震自動消火装置 排ガス浄化触媒 |
注意 | ※スノーピーク製のシェルター(リビングシェルなど)・2ルームシェルター(ランドロックなど)に限る。 |
フジカハイペットの代替品となる?
スペックの面で見てみると、最大火力がタクード2.15kwに比べてフジカハイペット2.5kWと少し差があります。
それ以上に、タクードの燃焼部分側面を金属の筒で覆われていることが暖房性能に差をつけそうです。
タクード単体では横方向の暖房効果は期待できないため、ストーブファンを併用して幕内の空気を循環するなど工夫が必要でしょう。
また、大型幕での使用や、標高の高い場所、厳冬期にはフジカハイペットでも1台での暖房はやや厳しいのでタクードだとより厳しい結果になると思われます。
春秋や標高の低い場所など極端に寒くない場所で中型までの幕での暖房として等、特定条件下では代替することはできる場合もあるでしょう。
同じスノーピーク製のストーブなら、レインボーとタクードで迷う方も多いかと思います。
デザインと火力重視か、サイズ重視かで選択がわかれそうです。
ちなみにレインボーストーブと底のサイズがほぼ同じなため、レインボーストーブ用のケースが使えます。
※2019年12月21日にスノーピークから製油ストーブ新製品、グローストーブが登場しました。
タクードのライバルストーブ
タクードは冬前には在庫切れになることが多く、ストーブをすぐに使いたい方は競合の石油ストーブを狙うのもいいかもしれません。
トヨトミレインボー、アラジンブルーフレーム、アルパカストーブ等、ライバルたちも魅力的なストーブが揃っています。
カセットガスストーブでこんなものもあります。
アラジンブルーフレームをモチーフにしたガスストーブです。カセットガスなので扱いが容易で、なおかつ見た目もおしゃれなので要チェックです。
世界初のカセットガスだけで稼働するファンヒーターも要チェックです。